もう一回「リオン」って呼んで………

父さんは死んだ。





僕と、その仲間達が見ている中で。





母さんはいつも言っていた。





「父さんは勇敢な勇者だった」って。





















父さんは火山で重傷をうけて、





眼が見えなくなって、





それでも戦い続けた。





乏しい記憶の中で





僕の事を覚えててくれた。





嬉しかったよ。





父さんに会えたら





母さんの事、





アリアハンの皆の事、





僕が冒険した事、





仲間の事。





全部、笑って話したかった。





けど、





なにより





父さんに





「リオン」って





呼んでほしかったよ。





「強くなったな」、





「大きくなったな」。





そんな言葉でもいい。





けど、




「リオン」って





一番に呼んでほしい。





父さんはもういない。





勇敢だった父さんは。






「勇者オルテガ」は。












でも父さん、





僕は、






一度でも父さんに会えたから





それでよかったです。





でもこんな出逢い方は





避けたかった。


























父さん、












一回でいい。












もう一回












「リオン」って呼んで。



























「リオン」って――――――――――――

Fairyから一言

 読み終わった瞬間、私は涙目になってました。リオンの心の叫びがひしひしと伝わってきて………(;_;)リオンを使ってくれて、しかも私よりもリオンという人物の動かし方が分かっている流字様が凄いです! 流字様、ありがとうごさいました!

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