終章〜Epilogue〜

 軍神と戦乙女の、半ば伝説と化した物語から数年後───。
 GRFのとある新人ボーダー2人はロビーで会話していた。

「私、いつかあの軍神みたいな狙撃使いになるんだ!」
「じゃあ、俺はその傍らパートナーを務めた戦乙女みたいな支援乗りになるぜ! …でも、よく考えたら男女逆じゃんか」
「いいじゃない、逆でも。一緒に強くなりましょ!」




戦乙女は躍る
たとえ鋭き銀弾が頬を掠めても

迎え撃つ一条の閃光(ひかり)と
絡み合う視線が物語る
決して相容れない傭兵同士の宿命(さだめ)を


軍神は狙い澄ます
研ぎ澄まされた渾身の一撃を放つ為に

煌く銃身に血腥い戦場の匂いを
轟く雷(いかずち)に硝煙の薫りを
同じ紅(あか)を纏うものを討ち滅ぼさんと
ただ、ひたすらに…


橋上の銃撃戦
眼前に映るは緋色の翼のみ
互いの愛銃を構え
見詰め合う

その眼差しは深い深い憐れみを
手を添えた引鉄(ひきがね)はせめてもの慈悲を


紅に朱が混じり
崩れ堕ちる双り

後悔などしない
この殺伐とした世界で
水辺にそっと寄り添うように逝けるならば


最期の刻(とき)よ
願わくば再び…
胸中に果てし無い祈りを
そして共に悠久の眠りに就こう

刹那の想いを遂げて
血に塗れた顔は
ただ、満足そうに笑った…

後書き

 全ては最後の詩から始まりました。この詩の原文はFairy Songsの方に置いてあります。前半部分だけ書いてmixiに載せたら、アキさんが「結末を相撃ちにしましょう」と言い、それに乗って後半を書き、小説が書きたくなったから更に小説化までしてしまいました。

 そして、遅筆な私が約3週間と言う早さで本編を全て書いてしまったのは仲間のお陰だと思っています。応援してくれた人とここまで読んで下さった人みんなに感謝を。ありがとうございました。

解説 終章〜Epilogue〜

 このシーンで会話する2人はサブカードのMorriganとAstraiaが元。女性アバター同士なので、そこは小説用にアレンジしてある。詩については元々これを書いた事から小説化企画が持ち上がった(当時は軍神→弓腰姫となっている)。

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